2008.12.02 *Tue

#読書日記 そのじゅーご

おおおおおお、8月以来ですよ。
書いていないなぁ、読んでいないなぁ、と思っていたのですが、よもやここまでとは…。
記憶容量が少ないので、覚えていないものは適当な感想になりますヨ。反省はしない。






















65)ブラック・ラグーン -シェイターネ・バーディ(著:虚淵玄)

何というか、メインキャスト総出演って感じで華々しくて面白かったです。
最近原作の方が戻ってきたキリングメイド編(違)の鬱々展開なので、こういう軽口とともにドカッと暴れてスカッと解決、でもちょっと残るやるせなさ…という、いかにも!なブラクラらしさに飢えている人間にはよいサプリでございました。
ちょっと残念だったのが、レヴィのお相手が結局小者だった点かなぁ。序盤、レヴィも気づかぬ速さで銃を抜きたシーンですっごくワクワクしてしまったので、あの決着はちょっと拍子抜けでした。
FateZeroでも思いましたが、虚淵氏って実力ある方なのに、ちゃんと原作を読みこんでいるからすごいですよねー。


66)社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった(著:香取貴信)

ディズニーランドで長年キャストを勤めた著者によるサービス業についてのお話。
まだシーも出来ていない時代なので、ちょっと昔のお話ですが、なかなか楽しくフムフムできました。
地方からはるばるやってきた家族が、入場制限のせいで入場できなかった話はちょっと涙が浮かびました。そういう時の親の反応には二つあって、子どもを叱りつけて引っ張っていくか、子どもに駐車場の方を指さして「あっちに行くと、ミッキーに会えるんだって」と嘘をついて連れていくか、なんですって。
そのあと、それを知った著者が「だから、せめて入場できたゲストは精一杯楽しまそう、手を一切抜くのはやめよう」って反省する流れになるわけですが。
こういう親子のいじらしさには胸が熱くなりますなぁ。


67)プラチナ・ビーズ(著:五條暁)

何というか、葉山さんフルボッコ話だった印象が…。す、すみません!
それ以前に、葉山さんの外見はいかにも「外人ぽい」って設定はわかっているんですが、自分の脳内イメージが某MMRの某キバヤシに固定されてしまい……。

うん。自分でも馬鹿じゃないか、と思っております。
話自体は重厚で面白かったです。続編も読みたいです。葉山さん、成長するかしら。


68)14 -fourteen(著:桜井亜美)

いつかの少年が少年を殺した事件をモチーフにした小説です。
正直、あまりいい気分のする話じゃありませんでした。ルポとかなら平気なんでしょうけど、あくまでモチーフ。創作なわけで。どうも不謹慎な気がしてしまいます。驚くような、新鮮な視線で描かれているわけでもなかったし。嗚呼、酷評。


69)夜叉ヶ池・天守物語(著:泉鏡花)

む、難しかったです。
でも、すごく綺麗。活字なのに、色とりどり。万華鏡みたいに変幻自在の色彩にあふれています。
たまにはこういうのも良いですねぇ…。
どちらかと言えば、夜叉ヶ池が面白かったです。


70)われレパルスに投弾命中せり―ある陸攻操縦員の生還(著:岩崎 嘉秋)

何か、いきなり毛色が違うものを読んでますよ。借り物です。
戦争モノはずっと避けてきたのです。ほら、「かわいそうでしょ、悲惨でしょ」って言うばかりじゃないですか。悲劇のヒロインちっくな話は好みません。ましてや、美談に仕立てて世論を操作しようという意図を感じるものなら、なおさら。
こういう「戦った人の主観」を通して見る戦争というのは自分にとっては初めてで、とても興味深く読めました(この本は手記です)。
華々しくも猛々しくもなく、ただ悲惨なだけでもない。彼らは何を思って空を駆けたのか、余計な装飾のない真実の一遍を見たような気がします。…まあ、本人によるある程度の脚色はあるんでしょうけどね。
それでも、読んでいて、じんと来たのは、特攻隊を見送る部分。飛行機の操縦士として確かな経験のある主人公は特攻隊には選ばれない。選ばれるのは最低限の訓練しか積んでいない若者ばかり。その方が合理的とは理解しつつも、やり切れない。そこは主人公の気持ちにリンクできた気がしました。


71)ラブコメ今昔(著:有川浩)

自衛隊にラブコメをプラスするとどうなるのか。という短編集。
同じ軍隊モノなのに、1つ前の本とは方向性が真逆すぎて、ちょっとギャップについていけない感じ。ニヤニヤ。ラブコメ大好きだ!
好きだなぁ、と思ったのは、表題作。おしどり夫婦で知られる上官の元に、女性広報官が円満の秘訣を聞きにくる…というお話なのですが、いい年したオヤジが照れたり、わたわたしたりするのは非常に可愛らしくて良いですねぇ。
有川さんの描く男性は老若問わず、女性のときめきポイントの中心を捕えているなぁ、としみじみ感心。世の中、あんな男性ばかりだったら、私は「恋多き女性」になれただろうに…(苦笑


72)書く技術・伝える技術―一読理解、誤解なし! 仕事の効率がぐんぐん上がる!!1発でできるSUPERラーニング(著:倉島保美)

会社の上司に読むよう言われた一冊。
小説書くのと、ビジネス文書書くのは全く別だぜー、というのが内容。こういうハウツー本だと「あれをしてはいけない」「こうせよ」とは書いてあるものの、なぜか飲み込めないなぁ、と思っていたのですが、その理由がこの本を読んでなんとなーく理解できたような気がします。ハウツーに書かれた作法の「なぜなのか」がロジカルに書かれているので、若干文字の量が多いのですが、そこを我慢できるなら、読んで損はないかな、と思いました。
どうでもいいですが、タイトル長いよ…。


73)ドキュメント戦艦大和(著:吉田満、原勝洋)

やまと、と聞けば、宇宙戦艦しか思い浮かばない、という何ともお恥ずかしい人間だったりしたわけですが…。
悲劇の戦艦・大和の最後の出撃→沈没までの経緯、情勢、そして生還者の手記が時系列にまとめられた一冊。米軍側の情報も載っていたりして、かなり坦々とした印象を受けますが、その分、余計な脚色を感じることなく読むことができた気がします。
とはいっても、兵器とかイマイチ知識がないので(雷撃機が地雷を発射するって初めて知りました)、熱心に読むのはもっぱら生還者の手記でしたが。若者は無謀なことを考えていたり、経験ある年配者は冷静に事態を捉えていたり。
涙が出そうになったのは、伊藤司令長官の最期と遺言。


74)みんなの秘密(著:林真理子)

秘密をテーマにした短編集。それそれの話に登場した脇役が次の話の主人公になる構成です。連作短編集と言えるほど、それぞれの話に関連性はないですが。
こういうお話を読むと、「あー、人間だわー」という何とも言えない気持ちになります。人間って自分に都合のよいように「世界」を見るんですよね。例え、それが心の底から誰かのためを思ってのことだったとしても。自分の世界と他人の世界のギャップ。それをあっさり&しっかり描いた作品に会うと、良い意味でくらくらします。
林さんの作品でひとつ前に読んだのが「聖家族のランチ」だったからなおさら面白く感じたのかも(注釈:聖家族のランチ…2008年マイブックオブイヤー・グロ部門文句なしのナンバー1作品。思い出しただけで気持ち悪くなる)。林さんの面白さって、やっぱこっちの方よね!


75)ハプスブルク帝国の情報メディア革命(著:菊池良生)

新書です。郵便の歴史についての。ハプスブルクと銘打ってありますが、基本的にはドイツ以南のヨーロッパ全体について言及があります。やはり文化に関する歴史は面白いよのう…。すべての発展が時代の要請に基づいているいう部分が。
この本で特に面白かったというのが、「郵便が『時間』を作った」という考え。
郵便制度が整ってくると、定期的な配達が実現し、それにより人々の生活が配達日を起点に回るようになる。起点から逆算して、自分の行動を決めるというように。
つまり情報メディア(郵便)が発達すると、時間の速さは比例関係にあるということで。それを考えると、テレビやメール、インターネットという「情報を即時に伝えることができる道具」が開発されたのも、時代の要請によるものなのだなぁ…、とか一人考え、悦に入るのでした。
あ、いや、歴史モノとしても楽しいですよ。スイスの傭兵部隊に恐怖するイギリスとか、某国擬人化マンガに合わせたイマジネーションを以て読みますと、ニヤけてしまうこと請け合い。ああ、何というヨコシマ。


76)倒立する塔の殺人(著:皆川博子)

久々なミステリーですよ。戦中〜戦後の女学生を主人公としています。いやー、面白かった!!
でも、ちょっと取っつきにくい感じの話ではあります。構成が複雑なので、私も半分くらい読むまで語り手が誰なのかもわからなくてずっと混乱しっぱなしでしたし。あまりの意味不明さに、若干途中で投げそうになったというのは内緒だ(借り物なので)。
だがしかし。
どうにか本全体の構成が掴めてくると、今度は止まらなくなるんだから摩訶不思議。前半あれだけ苦労したのが嘘だったみたいに、一気読みでした。夜更かし上等!…って感じで。
トリックはフィジカルな方は単純。ロジカルな方は技巧的。総じて、一級のミステリー。
第二次世界大戦中のミッション系スクール。空襲で誰もが防空壕に逃げ込む中、一人だけ別の場所で亡くなった女学生がいた。そして、女学生の間で回し書きされる「倒立する塔の殺人」というタイトルのついたノート…。
これを聞いただけで、ゾワゾワってきません?

どうでもいい話と言えばそうなのですが。
レーベルや表紙の綺麗なイラストから若い方の作品かと思いきや、何と作者が77歳の時の作品なんですよね、これ。読後に作者略歴を読んで、びっくりしました。そのお歳でこれだけ緻密なミステリーを書けるとは…。


77)光(著:三浦しをん)

わーいわーい、しをんさん1年ぶりの新作ですよ!!!(文庫化除く)
というわけで、早速購入、読破の流れと相成りました。発売日前なのに、すでに平棚は売り切れで、著者別の棚に一冊だけ残っているのみだったのは結構驚きました。
テーマは「暴力」。
何というか、「私が語りはじめた彼は」以来のくらーい、そしてある意味しをんさんらしい作品でした。まほろや風が強く〜のようなコミカルな話も好きなのですが、個人的にはこういう雰囲気の話の方が好きです。何でだか、しをんさんらしい気がするんですよね。暗い方が。

象徴的だなぁ、と思ったのが、タイトル「光」の反対である「闇」の表現。
テーマである暴力が描かれるシーンはどれも「闇」の中なんですよね。冒頭、津波が島を襲うのは真夜中だし、信之が他人に暴力を振るうのも夜か光の差さない室内だし。暴力というのは何も腕力にものを言わせるものばかりじゃなくて、言葉や態度や行動だったりして、中でも強く印象に残ったのは、信之の妻・南海子が家を飛び出して、それを信之が幼い娘・椿を連れて迎えに来るシーン。それだけを切り取るならば、心温まる家族愛を表す場面に見えなくもない。けれど、実際は信之は南海子の欲するものを与えてはくれない。察してはいるが、それがどんなものか理解できないから。それも、ある意味で暴力なのだと思う。
信之、南海子をはじめ、登場人物たちは皆、光を…愛や安寧という存在を一心に求める。しかし、その度に暴力により挫折を味わう。
彼らを見ていると、どうしても言いたくなります。愛とは「愛しい(かなしい)」…「哀しい」ものなのだと。
始終闇に包まれた物語の中、誰一人求めたままの光を手にすることはできません。
ただ、ラストシーンだけが晴れた海の上…光の中であるのが何とも苦しい。
光を志向することの意味を考えさせられる一冊でした。

こちらもどうでもいい話ですが。
しをんさんのトークイベントやサイン会の悉くに予定が合わないとはどういうことなのか。週末に予定あることの方が稀な人間なのに。
11月のは旅行でダメでしたし、12月のは某サンホラファミリーの方のラジオ公開収録の方に行く予定だし。
サイン自体は持っていたりするのですが、尊敬する方ですから、機会があれば馳せ参じたいわけです。




……ふー。ようやく書き終えた…。
ため込むのはお金だけにすべきですね。というかお金ありませんケド! ギブミー!!
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