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【観劇】ミュージカル『テニスの王子様』青学vs氷帝


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原作:許斐 剛『テニスの王子様』(集英社 ジャンプ・コミックス刊)
オリジナル演出:上島雪夫
演出:本山新之助
音楽:佐藤俊彦/坂部剛
脚本・作詞:三ツ矢雄二

会場:TOKYO DOME CITY HALL
公演期間:2016年7月14日(木)~24日(日)
※東京公演

上演時間:約3時間(休憩2回(15分、10分)含む)

観劇したステージ:
2016年7月18日(月・祝)13:00開演
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注:以下、テニプリ原作読んでないテニミュ好き(初心者)の感想です。




これまで跡部様は何度か拝見したことがあったのですが、試合をする姿を観たことがなかったんです。
もちろん、氷帝のメンバと一緒にいるところも観たこともなかったわけで、今までTwitter等で感じてきたイメージからもっと「君臨する王者と忠誠を誓った配下」みたいな関係性を想像していたんですけれども、意外と普通に学生学生していて、脳内イメージとのギャップに思わずキュン…となる自分がいたという。


そう回数を観ているわけじゃないんですが、今回の氷帝戦が私が観たテミニュの中で一番好きです。
人間ドラマ、ストーリー展開が熱くて。
絶対に勝たなければならない相手。
チーム一丸となって戦った最終戦で、主将の手塚がチームのために怪我の危険をおして戦い、辛くも負けてしまう。
チーム得点は2対2――どうなる?
という場面で、満を持して主人公が登場し、最終決戦へ――
これがもう! 熱かった!!
試合後の握手の後に、手塚の腕を持ち高く掲げる跡部の心の高ぶりに感情移入してすでに胸が熱くなっていたので、あの展開には涙出そうになりました。
その高ぶりはずっとベンチから試合を観ていたリョーマくんも同じはずで、日吉戦でのリョーマくんへの感情移入度は半端なかったです。
もうハイテンション!!
いやあ、凄かった!!


その上で、50分×3幕制なのも良かったかな、と。
テニミュって大半がテニスの試合シーンなので、これくらいの間隔で休むことができると、全部の試合にちゃんと集中出来て、さらに楽しめるように思います。
TDCホールの椅子は固くてすぐ腰痛くなりますしね、休憩の多さがありがたかったです。


テニミュで好きなのはエクスタシーの白石くんなんですが、氷帝戦を観て、リョーマくんも同じくらい好きだわ!と自覚しました。
リョーマくんって良い子なんですよね。
クールだから直接言葉にはしないけど、好きな人にはつき合いが良いのが好きです。
一年生トリオとか、桃ちゃん先輩とか。
例えるなら、飲み会で静かに飲んでいて、あれこの子楽しくないのかな?来たくなかったのかな?って幹事を不安にさせたりもするんだけど、二次会どころかラストまでひょっこりついてくる感じ、すごく好きです。
彼らまだ中学生だけど!
ちょいちょい挟まれる日常シーンが微笑ましく、それらのシーンがあったから、クライマックスの彼のテンションにも共感できたように思います。
部室でのお着替えシーンは突然どーした!?と思いつつ、綺麗な背中ごちそうさまでした。


三浦さんの跡部様は、お人形みたいな優しい顔立ちが印象的でした。
でも立ちぶるまいはクールで、若干のヒール感もあって、そのギャップの素晴らしいこと。
ツイッターのプロフィールに17歳とあって驚愕。
平成11年生まれって……いやあ、自分の歳と比べると、うがああ……!(錯乱)
でも、その若さが良い方向に働いているように感じました。
試合後、自分のプレーについて(だと思うのですが)青学に何か言おうとして言えなくて立ち去るところとか、年齢相応感があって、逆に微笑ましかったです。
氷帝は、無言のベンチ取り合いシーンが可愛かったですし、ダブルスで負けた時、向日の頭を忍足が気にするなと言うようにポンポンするのも人間味あって好きです。
氷帝って、もっと冷たいやつらだとばかり……!(酷い偏見)


難点を探すとしたら、青学メンバは歌がすごく上手いので、青学がすごく強そうに見えて、氷帝学園の強さが伝わりにくいところかな――と思ったのですが、自分の過去ブログを見返したら、3rdシーズン初演・不動峰戦の感想で、青学の歌唱力はまだ発展途上、これから頑張れみたいなことが(くそえらそうに)書いてあって、ビックリ。
いや、今思い返してみても、確かにあの時の印象はそうだったんですよ。
つまり、そのくらいレベルアップしたってことなんですよね。
すごい!!
そんな青学8代目のみなさんは、今作・氷帝戦で卒業とのこと。
もっと観たかった、彼らの青学を聴きたかったと寂しく思いつつ、これから色んなステージでもっとレベルアップした彼らに会えるのは今から楽しみです。
うーん…、でももう1公演くらい観に行きたいなあ…!




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【観劇】斬劇「戦国BASARA4 皇」本能寺の変


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構成・演出・映像:ヨリコジュン
原作:CAPCOM(「戦国BASARA」シリーズ)
企画・原作監修:小林裕幸(CAPCOM)、山本真(CAPCOM)
シナリオ協力:松野出

会場:Zeppブルーシアター六本木、梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
公演期間:2016年7月1日(金)~10日(日)、16日(土)~18日(月・祝)

上演時間:約2時間50分(休憩15分含む)

観劇したステージ:
2016年7月3日(土)12:30開演
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とても正直な話、演出がヨリコジュンさんだと知った時点で観に行かないことにしようと思っていたんですよね。
どうやったって私の好みに合わないということがわかりきっているから(これまで支払った数万円分のチケット代と引き換えに)。
なのに、なぜ観に行ったかというと、谷口さんが今作をもって明智役を卒業するお知らせがあったからです。
これを逃すともう谷口さんの明智(天海さま)が観られないと思うともの惜しく感じてしまい、ちょうどチケットがお安く売っていたのもあって、いつの間にか手元にはチケットが。
――そんなわけで、こんなテンション低い客に(しかも定価の4割引のチケットで)来られて嬉しいものかなぁ、と申しわけない気持ちになりつつも六本木へ向かったのでした。


結論から言うと。
ヨリコジュン節がきつくて辛かったけど、ヨリコさん演出の作品の中では2番目に面白かったし(1番は銀英伝星々の軌跡)、前作(4皇)よりはずっと良かったです。
前作は褒める場所を見つけるのも大変だったのですが、今作はちゃんといくつかありましたから。
まず、何よりキャストが良かった。
特に新キャストの左近役・斉藤秀翼さんと又兵衛役の汐崎アイルさん。
どちらもゲームから抜け出てきたような、動作も姿勢も声も表情もイメージ通り。
左近は、あーこれは三成さまつい怒っちゃうわー実力認めている分余計にちゃんとしなさいって厳しくしちゃうわーっていう、チャラかわいさ。
途中、慶次とのサイコロ対決に負けて、三成さまと刑部様のモノマネを披露してくれた時は大爆笑でした。
斉藤さんて戦隊の時のボーイと言っている印象しかなかったのですが、器用な役者さんなんですね。
また別の役でお目に掛かりたいです。
アイルさんの又兵衛は似合うだろうとは思っていたんですが、何から何までそのまんま。
私がゲームをそこまでやりこんでいないのもあるのですが、それでいて、利休を前にした時の上がりっぷりやお茶を立てる姿に、へぇ~又兵衛って可愛いところあるじゃん、と新しい魅力に気づかせてもらいました。
カーテンコールまで又兵衛を崩さないプロ根性に拍手。
あとは、オープニング殺陣が良かったです。
恒例のものではあるのですが、今回はそれぞれ物語に合った台詞が用意されていて、ドラマチックでした。
ヨリコさんの演出はプロジェクションマッピングをよく使うのが恒例ですが、今回はそれでゲーム画面を再現しようと工夫しているのも面白かったですね。
開演前には、ゲームのキャラクター選択画面のような映像を流して軽く登場人物紹介をしてくれたり、冒頭の又兵衛が走るシーンに森の画像を合わせたのはゲームの出撃準備画面のようで、これから始まるんだなぁ感満載。
本能寺に入ったシーンでふすまが何枚も出てきて、筆頭がバッサバッサ斬っていくシーンも、ゲームの本能寺ステージを遊んだ人はクスッとできるかと。
バイオハザードの舞台でもありましたが、幕間に休憩が残り何分を表示してくれるのは、携帯の電源を切るタイミングがわかりやすくて地味に良いと思います。


ただ、ゲームの再現をしようとする努力は感じられたのですが、武将たちの内面を理解しようという努力が一切感じられなくて、やっぱりこうなるのか……と非常に残念です。
銀英伝の時もそうでしたが、ヨリコさんってどうして登場人物を自分の好みに合わせて歪めてしまうんでしょう。
今回、結構な人数のキャラクターが劇中で死にます。登場しないキャラクターもたくさん死んでいます。
これ自体は哀しいけれども反感は抱きません。
前作みたいに誰も死なないけど、誰も倒されないし、誰が敵かもわからないような状態と比べたらずっとまし。
まして4の世界ってループしているんですから、ああそう、今回はそういう世界線なのね、と思えますし。
気になるのはそれじゃないんです。
何度ループしたってこの武将は絶対にこんな言動は取ることはない!って思う言動が目白押しなんです。
筆頭は、信長が動き出したから成敗してくるって言う幸村を、そっかーじゃあねーで送り出すわけがない。
むしろ、俺も行く、お前との決着はその後だ、真田幸村っ!――って言うのが私の知っている筆頭なんです。
敵が強そうだからって、挑みもせず、まず同盟先を探そうなんてしないんです、私の知っている筆頭は。
そういう慎重論は小十郎の役目でしょ。
その小十郎も、どうしてあの場で明智を切らなかったのか、台詞がよく聴こえなかったのもあって、理解できず。
幸村は義理立てして謙信の看護なんてしないんです。むしろ真っ先に仇を取りに行くタイプ。
佐助も大将を置いて単独出陣なんてしないんです。
かすがに情はあっても、まずは真田の大将を優先する冷静さがあるのが佐助のはず。
一方で、謙信がかすがの死を知っても、まったく動揺を見せなかったのも違和感でした。
明智も、信長に叱責されたあとに、貴方だって敵を見逃したくせに(ごまかすなんて可愛い人だ)とか言い出して惚れ惚れモードになるのも違和感。
そんな表層的な愛じゃないでしょ、もっと魂レベルで恋しているはずでしょ、貴方は。


何よりも。
大体の人は同じ感想だと思うんですけど、孫市と長曾我部がひどい。
前々から思っていたのですが、ヨリコさんの描く女性ってかっこよくないんですよ。
男性から守られる存在で、本人もそれを是としている。
(加えて、大体の場合、知性ではなく感情で動くし、恋愛脳で、作中でフラれると世界を滅ぼすような破滅的な行動を取るのがお約束)
今作の孫市も、早々に明智に人質に取られてお姫様状態。
長曾我部に逃げろというのはわかるんだけど(それで本当に逃げてしまう長曾我部にはガッカリさせられましたが)、孫市って男性武将なんかよりずっと男気があるから、あの状況になった時点で自爆くらいやっちゃいそうなイメージなんですよね。
人質の孫市を助けたければ伊達を殺せ、と言う明智に従ってしまう長曾我部もやっぱり変。
今作の長曾我部って孫市びいきですよね。
孫市が一番大事。
――違うでしょ、と。
アニキが一番大事なのは自分を慕う部下たちであり、領土の民のはず。
孫市大好き男じゃないじゃん、幼馴染だけど恋愛感情ゼロじゃん。
まっすぐで馬鹿で情が深いから、大切な人同士を天秤にかけて選べるようなタイプじゃないし、仲間や友達を殺すくらいなら自分が死ぬタイプじゃん。
これらの歪みの結果、大怪我しているのに無理やり出陣して、ゆえに当然信長に手も足も出せずピンチに陥った孫市を庇って、マイフェイバリット武将トップ2の慶次が死ぬってもう何といえば……。
そもそも。
雑賀衆と長曾我部軍合わせも信長相手には力不足だって、普通の孫市なら冷静に判断できるでしょ!!
囚われの姫になるわ、自分のために男二人が殺し合いを始めるわ、自分をかばって男が死ぬわ――と逆ハーヒロインみたいな孫市。
孫市を盾に取られると、孫市のためにしか行動できなくなる長曾我部。
ほのかに漂うメロドラマ臭がほんとつらかった。
いろんなピンチや悲劇の元凶を辿っていくと、冷静な判断が下せず無謀な行動を取った孫市がいるわけで、ヨリコ作品そこそこ観てしまっている身としては、これぞまさにヨリコ作品の正ヒロイン!って感じです。
オリジナル作品ならまだ仕方ないと思えるんですけど、原作――それも女性ファンが多く、恋愛要素は薄く、戦う強い女の子がレギュラーキャラにいるようなエンタメ作品で、女性のフェミ感情を逆撫でするようなヒロイン(的な登場人物)を無理やり据えてしまうセンス、ちょっと私には理解できません。


これもいつものことですが、舞台の一部に照明を当ててドラマを進める時に、それ以外の照明が当たっていない部分への配慮が足りていません。
客は舞台全体を観ています。
仕方ないとはわかるのですが、死の縁にいるはずの謙信がぴょこと立ち上がり捌けていくのは、どうにも白けます。
Tシャツ姿のスタッフさんが舞台上に落ちた布を拾いに行く姿、全部見えています。
舞台上に出るなら、せめて足軽の格好をするとか世界観を崩さない格好でお願いします。
暗転そのものが多いし長いんですよね。
DVDにまとめる時は素敵に編集できるんでしょうが、舞台はまずその劇場に足を運んでくれたお客さんが観るものだと理解してほしいです。


新作ゲームの発売を控えるこの時期、小林さんも山本さんもお忙しいのはわかるのですが、ちゃんとチェックしてください。
お二方のBASARAへの愛はこれまで何度も見てきました。
自分たちの生んだ大切な武将たちがあんな酷い改変をされて平気な人たちだと思いたくありません。
次があるなら、どうか、本当にどうかお願いします。




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テーマ : 演劇
ジャンル : サブカル

【観劇】おぼんろ第13回本公演「ルドベルの両翼」


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脚本・演出:末原拓馬

会場:王子BASEMENT MONSTAR
公演期間:2016年6月28日(火)~7月6日(水)

上演時間:約1時間45分(休憩なし)

観劇したステージ:
2016年7月2日(土)13:00開演
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ひさびさのおぼんろさんです。
会場へのんびり向かったら、すでに椅子席は満員。
地べたに敷いた座布団に座っての観劇となりました。
おしりは痛かったですが、自分のすぐ横――息遣いも感じるほど近くを語り部さんたちが行き交い、物語が進んでいくことに、ああ、おぼんろさんだなぁ、と懐かしくて嬉しい気持ちに。


おぼんろ作品は、パダラマ・ジュグラマ、ゴベリンドンの沼に続いて3作目。
物語の美しさであればパダラマ~かなと思うのですが、すっと心に入ってくる力は本作が一番のように感じました。
とても観やすいんです。
気分よく観られるというか。
登場人物がみんな孤独ではないところ、エンディングより先の未来がちゃんとありそうなところがそう思わせるんでしょうね。
タクムが大好きなみんなのために犠牲になろうとするのに、みんなからそれを許さないと言うシーンで、両立できないそれぞれの願いが切なくて泣き、そう言ってくれるみんなのためにと一層決意を固めたのに、大好きな仲間が聖杯を奪い、毒の水を次々と飲んでしまうシーンで嬉しくなりつつ、みんな死んでしまうのかという哀しさで泣き、暗転した後の歌声で泣き、最後のつぶやきにほっとして泣き……と、最後は笑顔で拍手しながら泣いている有り様。
哀しくて切なくて泣くだけではなく、嬉しくて泣ける。
おぼんろさんでこういう涙が初めてで、とても幸せな気分になりました。


その上で、今作はルドベルという地下洞窟と狭間と呼ばれるその上の大地を舞台としたお話なのですが、世界観と王子BASEMENT MONSTARという会場がぴったりなんですよね。
ドーム型の天井、その下で身を寄せ合うように座る私たち――自分たちがルドベルの民になったような気持ちになりました。
鍾乳洞を探検してオーロラを見るシーン――実際はオーロラは存在しなくて見えないのだけど、登場人物たちは見えると言い張って鍾乳洞の天井を見上げる。
つられて自分たちも上を見ると、黒いドームの天井があるだけ。
それが登場人物たちと同じ景色が見えたような気持ちになって嬉しいっていう。
おぼんろさんの作品って、会場全体が舞台であり、360度すっぽり物語世界に浸れるというのも魅力の一つだと思うんですけれど、今作は本当に物語と会場の親和性が高くて、王子BASEMENT MONSTARって家から微妙に遠いし微妙に迷いやすかったりするんですけど、ルドベルはこの会場で良かったと心から思います。


登場人物に主従関係があるのも、実に大好きでした。
友情のようで友情とは少し違う絆の形にはやっぱりロマンを感じます。
でも、好きな登場人物はリンリかな。
弱い子がぶるぶるしながらも頑張るやつに弱いんです。
ルドベル組の中で真っ先に聖杯の水をあおるところがリンリの強さなんでしょう。
リンリ役の高橋さんって、パダラマ・ジュグラマのオカマの雌鶏(雄鶏?)のリンリン役の印象が強くて、あまりのギャップに役者さんってすごいな!と改めて思わされました。
パンフレットのお写真もまさに「素のおぼんろ」という感じで、ドーランなしの年齢相応の彼らが映っていて、ルドベル後に開くと同じように役者さんすごいな!モードになるのでとってもオススメ。


おぼんろさん、秋と冬にも公演が予定されており、来年は専用劇場を創るとか。
友達少ないので倍々作戦にはなかなか協力できないのですが、せめて自分の目は離さずにいて、面白かったらブログかTwitterで盛大に騒ごうと決めています。




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テーマ : 演劇
ジャンル : サブカル

【読書】メタルギア ソリッド ―ガンズ オブ ザ パトリオット―(著:伊藤計劃)

メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット (角川文庫)

伊藤 計劃 角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-03-25
売り上げランキング : 17051
by ヨメレバ

▼感想
伊藤計劃さんの著作というだけで購入し、積んでおいた本です。
ゲームは一切プレイしたことがありません。
あ、でも、スネークの声が大塚さんなのは知っていました。
ダンボールを被って潜入するってこととかも。
逆にいうと知識はそれだけ。
読み始めてすぐはスネークが何人もいることに混乱し、ビッグ・ボスとザ・ボスの違いがわからなくて混乱し(さらにはビッグ・ママなる人物も出てきてさらに混乱)、まったく進まず。
Wikipediaで勉強した後もしばらくはのんびりモードで読んでいたのですが、ナオミを救出したあたりから、スネークとオタコンの決意がようやくわかってきて、そこからは一気読みでした。
テレビゲームのノベライズということもあって、伊藤計劃さんの物語の中では思想的、観念的要素が少なく、割と王道なヒューマンドラマなので、氏の作品の中ではかなり読みやすい部類になるんじゃないかと。
お世辞抜きにすごくすごく面白かったです。
クライマックスは何度涙腺が緩んだことか。
読みやすい分、「らしさ」は薄いわけで、伊藤計劃入門書になるかといえば悩んでしまうわけですが。


ソリッドのスネークさんも素敵なのですが、オタコンが好きでした。
デスクワーカー系で運動はできない。やや抜けているところもあるけれども、その手の人物にありがちな劣等感、コンプレックスはほとんどなく、自分の才能やスネークとの友情を絶対的に信頼している――読み手に親近感を抱かせつつも、こんな人格でいたいものだという憧れも抱かせてくれる素晴らしい語り手でした。
ラストバトルがとにかく熱くて、涙。
スネークって、もっと完璧超人だと思っていたんですよね。
クールで、人格者で、プロフェッショナル。
でも、オタコンの目を通して見るスネークは、苦しみ、待ち受ける死に恐怖する、ただの弱い人間でした。
でも、頑張るんですよね。スネークは優しい人だから。
オタコンとの友情を支えに、サニーや雷電が生きるべき未来のために、ボロボロの身体を奮い立たせて、戦うスネークに涙しつつ、こんな格好良い主人公がいて、熱いドラマがあるゲームならプレイしてみたいな、という気持ちもムクムク。
……まあ、私の操作するスネークは一般兵士以下の活躍しかできない気がしますけども!
それと、今からMGSシリーズにハマっても小島監督は……とかいろいろ思っちゃう部分もありますけれども!


それと、エピローグの旅の詳細が知りたくて仕方がありません。
描かれないからこその余韻なのはわかるのですが、過酷な本編の反動というやつです。
加えて、伊藤計劃さんの描く世界、文章への渇望のせいでもあるのかも。
このメタルギアソリッドのノベライズで、一般流通している伊藤計劃作品はすべて読んだことになります。
この後どんなに待っても、氏の新しい作品が上梓されることはないという現実。
未発表作品が見つかるということはあるかもしれませんが、作家として経験を重ねていったその先に描かれる世界を見てみたかったんです。
熱く濃厚な物語を読了する多幸感と一緒に、哀しさと寂しさを味わう読書でした。


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▼あらすじ
暗号名ソリッド・スネーク。
悪魔の核兵器「メタルギア」を幾度となく阻止し、世界を破滅から救ってきた伝説の男の肉体は急速な老化に蝕まれていた。
戦争もまた、ナノマシンとネットワークで管理・制御され、利潤追求の経済行為に変化した。
中東、南米、東欧――見知らぬ戦場に老いたスネークは赴く。
「全世界的な戦争状況」の実現という悪夢に囚われた宿命の兄弟リキッド・スネークを葬るため、そして自らの呪われた血を断つために。
(文庫あらすじ)

テーマ : 読書
ジャンル : サブカル

【読書】毒味師イレーナ(著:マリア・V・スナイダー)

毒見師イレーナ (ハーパーBOOKS)

マリア・V スナイダー ハーパーコリンズ・ ジャパン 2015-07-18
売り上げランキング : 204164
by ヨメレバ

▼感想
ひさびさのブログです。
珍しく読書欲がわきまして、通勤時間を中心にコツコツ読んでいます。
一番いいのは通勤時間にスマホのメモ帳アプリに感想を打ち込んでおくことなんでしょうが、ずっとパソコンでしかブログを更新してこなかったので、違和感があってどうにも続きません。
うーむ。


さて、「毒味師イレーナ」。
このあらすじに何故と自分でも思うのですが、最初はSFかなと思って購入したのですが、読んでみたら女の子が頑張るロマンス・ファンタジーでした。
女の子の一人称で、相棒役には元・暗殺者の冷酷な男。
最初は互いに疑い、探り合っていた二人が、陰謀劇の中で次第に――っていう、大好物な展開。
ハーレクインの棚にあることが多い本みたいですが、そんなに甘くないです。エロくもないです。
ただ、え、そんなとこで!?今!?ってところでそういう関係になるのは、さすがアメリカで書かれた本って感じです(偏見)。
……って。
感想を書きながら調べたら、ハーレクインは濡れ場必須じゃないんですね。
普段読まないもので、誤解していました。


ただ、本当に恋愛要素は薄いんです。
相棒役・ヴァレクと一緒ではないシーンの方がはるかに多い。
合間合間に挟まるじれじれっとした描写にニヤニヤさせられつつも、中心はイレーナの冒険とサバイバル。そして成長。
誰も頼れる者がおらず、なのに自分の命を狙う者はいる。疎む者はもっと多い。
知り合った人も信頼できるのかどうかわからない。
毎日の毒味でいつ死ぬともわからない。
そんな先の見えない日々の中、一つずつ学び、生きるための能力を身に着け、強さを身につけていく。
イレーナは優しいけれども、怖ければ泣くし、時に短気を起こすこともある普通の人間で、そのおかげか物語へすっと入ることができました。
その上で、ちゃんとヒロインらしい要素もあるんですよね。
まず身なりを整えればかなりの美少女。
冷静沈着、頭脳明晰、度胸もある。
戦う力はないけれども、曲芸が出来て身のこなしも軽い。
本人も気づいていない不思議な能力を持っている。
もちろん、優しいので、次第に仲間も増えていく。
決して主人公に優しい世界ではないのですが、こんな風だったら……みたいな妄想がどんどん叶っていく感じがとっても楽しいんです。
何というか、白泉社、花ゆめ系の漫画を読んでいるような感覚に近い感じです。
頑張る主人公のそばには反目する部分もありつつ支えてくれる男性(恋愛未満)がいて、主人公の真摯さにいつしか仲間も増えて、しかし敵は強大で――
うんうん、大好きなんだよなぁ、こういうの。
ちなみに好きだったのは、ヴァレクとのシーンではなく、イレーナ、アーリ、ジェンコの訓練シーンだったり。
家族のような、兄弟のような、それ以外の感情も見えるような、三人組が微笑ましくて好きです。
あとは、クライマックスのアンブローズ最高司令官とのシーンも、トラウマを克服するという物語全体のテーマに沿っていて好きです。


イレーナの物語は続きものだそうで、読み終わった帰り道に本屋に寄って2巻「イレーナの帰還」をゲットして、ただ今コツコツ読書中です。
1巻とは打って変わってハリーポッターのような世界観で、こちらも変わらず面白いです。
7月には3巻も出るそうで、今から楽しみです。
骨太な異世界ファンタジーが好きだけれども、児童文学はちょっと物足りない、そんな大人にオススメ。


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▼あらすじ
ある殺人を犯した罪で死刑囚となった少女イレーナ。
ついに絞首台へと送られる日を迎えるも、そこで思わぬ選択肢を与えられる――
今すぐ絞首刑か、それとも、国の最高司令官の毒味役になるか。
だが毒味役を選んだイレーナを待ち受けていたのは、逃亡防止の猛毒だった。
かくして少女は毎日与えられる解毒剤なしには生きられぬ身体に。
わずかな生きる希望に賭け、壮絶な日々に立ち向かうが……。
(文庫あらすじ)

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はじめまして、こんにちは。
稚井 と申します。
chii または (゚(0 0)゚;) と名乗ることもあります。

※自己紹介→★★★

※平気でネタバレしますので、
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